シネマな人々 エピローグ



エピローグ 宴の後
(昼下がり。学内は学祭で盛り上がっている。原弘と広二が歩いている。
そこにハルカと華恵と藍がやって来て、一悶着があるが結局五人で歩き出す。
一箇所だけ人もあまりいない静かな一角。そこには、“シネマ工房最新作「波紋の恋」上映中”の看板。
入り口のもぎりでは、秋生と要がぼんやりと座っている。)
秋生 「暇だねー。」
「うん。」
秋生 「客こないねー。」
「うん。」
秋生 「面白いのにねー。」
「うん。」
秋生 「合宿あんなに苦労したのにねー。」
「うん。」
(秋生、要が“うん”しかいわないので怪しがり、要を見る。
要、下を見ながらうつらうつらしている。秋生それを見ながら、)
秋生 「入道雲は積乱…」
「うん。」
秋生 「勝負は時の…」
「うん。」
秋生 「秋生ちゃんは可愛い?」
(要、苦悶の表情になり、)
「う、う、うんん。」
(秋生、要の首を絞める。)
秋生 「起きろや、この、色ボケ年増趣味。」
「や…やめ…」
(抵抗しようとする要。)
「あのー、映画見たいんですけど。」
(秋生、要の手を放す。要、オチル。満面の笑顔を客に向ける秋生。)
秋生 「いらっしゃいませー。」

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